
コロナウィルスの影響で日本全国の学校が休校措置を取っています。
2月の終わりに急遽安倍首相から出された臨時休校要請。
そこから子どもたちは、卒業式や入学式を含め、数日学校に行ったのみで、自宅学習を余儀なくされています。
そこで出ているのが9月入学(新学期)案。
実は、世界的に見ると、9月入学がスタンダードであり、
4月入学スタートの国は数えるほどしかありません。
海外留学や海外での就職を考えると9月入学も良いのではないかと思えますし、何より現在受験生や就職活動生にとっては少しでも不安を解消できる案なのではないでしょうか。
9月の時点でコロナウィルスの影響がどうなっているのかは誰にも分かりませんが、9月入学にした場合、学年や卒業式はどうなるのか?メリットとデメリットについてもお話します。
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9月入学にした場合、学年はどうなる?
これまで4月入学の場合、4月2日生まれから翌年の4月1日生まれの子どもたちが同じ学年で4月に入学していました。
ちなみになぜ3月31日ではないのかということに関しては、4月1日生まれの人は、3月31日の深夜12時に年を重ねていると判断されているからです。
9月入学にした場合は、
9月2日生まれから翌年の9月1日生まれまでが同級生となるのが当然かと思われますが、一気にこれを行ってしまうと、ある学年は1年半の間に生まれた子が同学年となり、その学年だけ負担がかなり大きくなってしまいます。
同学年の定義を変えるのであれば、段階的に変更していくのが望ましいですね。
また別の案としては、
学年は今まで通り、4月2日生まれから4月1日生まれの子としておいて、入学を9月にするという意見もあります。
この方がシステムの変更は少なくて済むかもしれませんが・・・
いつが入学なのか卒業なのか、分かりにくいのでは?という声もあります。
9月入学の場合の卒業式はいつになる?
9月に新学期がスタートする場合、1年のスケジュールはどのようになるのでしょうか。
大きく変わるのは、入学式・卒業式・入試ですね。
9月スタートなので、入学式は9月、卒業式は8月(もしくは7月)になるのではないかと言われています。
この辺りは、冬休みや春休みをどの程度の日数設けるかによっても変わってくるかもしれません。
そして入試関係ですが、今までの流れをそのまま9月スタートに当てはめていくと、
6月にセンター試験が行われ
7月に私立中学・高校・大学の入試
8月に公立高校・大学の入試となるのではないかと思われます。
なんとなく変な感じがしますが、もし決まってしまえば、その通りに進むしかないですし、数年後にはそれが普通になってくるんでしょうね。
東京 小池知事と大阪 吉村知事 “9月入学”議論 賛成で一致 #nhk_news https://t.co/9wkOSOffVg
— NHKニュース (@nhk_news) April 30, 2020
9月入学のメリット・デメリットとは?
一番気になるのは、やはり9月入学にしたときのメリットとデメリットです。
国民民主党のワーキングチームで検討中の「9月入学・9月新学期」案、主なメリット・デメリット等の一覧を画像にて。今後、議論結果も反映して改めて共有します。 pic.twitter.com/JgqI1knbrh
— きいたかし(城井崇) (@kiitakashi) April 27, 2020
9月入学のメリット
まずメリットですが、
学力の不安が少し解消されることが挙げられます。
3月から学校に行っていない子どもたち、私立学校ではWEB授業を行っているところもありますが、公立学校においては、課題を配布して、あとは自宅学習となっています。
各種資格試験も中止になっていますし、就職活動も現在止まった状態になっていて、子どもの時間はほとんど動いていません。
夏休み短縮案も出ていますが、3ヶ月休んだ子どもたちが夏休みも毎日学校、またエアコンを付けると3密の状態は避けられないという現実を考えると、学習を1年かけて通常通り行えるのはメリットが大きいと思われます。
そして、
世界のスタンダードに合わせることで、
留学や海外の学校への進学などが行いやすくなります。
さらに、毎年入試の時期が冬でインフルエンザや風邪対策に気を配っていたのが、夏入試になると本人も家族も少し気が楽になるかと思います。
雪の影響もなくなりますね。
9月入学のデメリット
反対にデメリットは、学校だけでなく、保育園や企業すべてのスケジュールを9月スタートに合わせる必要が出てくるので、日本全国で大幅な変革が必要となり、そのための準備で混乱が起こることです。
そして、
日本の4月入学は世界の9月に入学している子より実は半年遅れて学校がスタートしています。
つまり、後ろ倒しして9月入学にすることは、世界から見ると1年遅れるということになります。
また、現在小中学生・高校生の子どもたちは半年間、その期間が延びることになります。
その分、家庭では負担が増えることが予想され、さらに学校としては授業料が後ろ倒しになることで経営が危なくなる学校が出てくるかもしれないと言われています。
9月入学の是非、結局どちらがいいのか?
専門家の中でも賛否が分かれているこの問題
とは言え、今の状況を踏まえ、また多くの自治体が5月いっぱいは休校という発表をしていることを考えると9月入学を真剣に考えなければならないのではないかと思われます。
一番考えないといけないのは、
やはりこれからを担っていく子どもたちにとって何が最善なのかということ。
子どもたちは3ヶ月もの間、何もできない生活を送り、またスポーツに打ち込んできた子どもたちはその成果を出す場所もなくなってしまいました。
政府や大人にとって、ではなく、子どもたちが笑顔になれる仕組みを考えていってもらいたいですね。