
Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)は、日本の音楽シーンにおいて、独自の音楽性と高いメッセージ性で絶大な人気を誇るロックバンドです。
彼らの楽曲は、ポップでありながら奥深く、若者を中心に幅広い世代から支持を得ています。
ここでは、バンド名の由来から、結成から現在に至るまでの経緯、現メンバーと旧メンバーのプロフィール、そしてメンバー脱退の理由まで、Mrs. GREEN APPLEの全貌に迫ります。
Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)バンド名の由来
Mrs. GREEN APPLEというユニークなバンド名は、中心人物である大森元貴(ボーカル・ギター)によって考案されました。彼が語る由来は以下の通りです。
- 「GREEN」: 大森曰く、「まだ熟れていない、未完成なものを表す」とのこと。常に成長し続けたい、未完成だからこそ可能性を秘めているという、バンドの進化への渇望が込められています。彼らは現状に満足せず、常に新しい音楽を探求し続ける姿勢を持っています。
- 「APPLE」: リンゴは、世界中で最も親しまれている果物の一つであり、多くの文化圏で象徴的な意味を持ちます。アダムとイブの物語における「禁断の果実」、ニュートンの「万有引力の法則」など、知恵や真理、発見の象徴としても用いられます。これをバンド名に加えることで、「多くの人に愛される存在になりたい」「普遍的なテーマを音楽で表現したい」という願いが込められていると解釈できます。
- 「Mrs.」: この「Mrs.」という接頭辞は、バンド名の最も特徴的な部分であり、意図的に付けられたものです。大森は、「特定の誰かを指すのではなく、不思議なおばあさん、性別のない、人ではないような、ミステリアスな存在としてつけた」と説明しています。これにより、バンドの音楽が特定のカテゴリーに収まらない多様性を持つこと、そして聴く人それぞれが自由に解釈できるような、無限の可能性を秘めていることを示唆しています。また、性別や年齢、国籍といった既存の枠組みにとらわれない、自由な発想で音楽を創造していくという彼らのスタンスが表れているとも言えます。
これらの要素が組み合わさることで、「まだ熟れていない未完成なリンゴのように、常に成長し続け、普遍的なテーマを多様な視点から表現し、多くの人に愛される、性別を超越したミステリアスな存在」という、Mrs. GREEN APPLE独自のバンドコンセプトが形成されています。
この名前には、彼らが音楽を通して伝えたいメッセージ、そしてバンドとしての哲学が凝縮されていると言えるでしょう。
バンドの経歴:結成から現在に至るまで
Mrs. GREEN APPLEは、2013年に結成され、その類まれなる音楽性で急速に日本の音楽シーンを駆け上がりました。
2013年:結成期
大森元貴を中心に、山中綾華、藤澤涼架、若井滉斗、髙野清宗の5人で結成。当初から、メンバーそれぞれの音楽的ルーツや多様な才能が融合し、既成概念にとらわれない独自の音楽スタイルを確立していきます。彼らはライブハウスを中心に活動を開始し、その圧倒的なパフォーマンスとキャッチーなメロディーで、瞬く間に注目を集めるようになります。
2014年:インディーズデビュー
2014年7月、1st mini album『Introduction』をリリースし、インディーズデビュー。この作品は、彼らの音楽の多様性を示すものであり、各方面から高い評価を受けました。同年11月には2nd mini album『Progressive』をリリースし、着実にファンベースを拡大していきます。
2015年:メジャーデビューと躍進
2015年、EMI Records(ユニバーサルミュージック)よりメジャーデビュー。1stミニアルバム『Variety』をリリースし、その音楽性はさらに多くのリスナーに届くこととなります。同年12月には1stシングル「Speaking」をリリースし、アニメのタイアップなども獲得。彼らの楽曲は、そのポジティブなメッセージと中毒性のあるサウンドで、瞬く間に若者を中心に支持を得ていきました。
2016年〜2019年:ヒット曲連発と確固たる地位の確立
この期間、Mrs. GREEN APPLEは数々のヒット曲を世に送り出し、日本の音楽シーンにおいて確固たる地位を築き上げていきます。
- 2016年: 1stフルアルバム『TWELVE』をリリース。初の全国ツアーも開催し、ライブバンドとしての評価も高めます。
- 2017年: 3rdシングル「どこかで日は昇る」、4thシングル「WanteD! WanteD!」など、ヒット曲を連発。「WanteD! WanteD!」はドラマ主題歌に起用され、バンドの知名度を飛躍的に向上させました。
- 2018年: 3rdフルアルバム『ENSEMBLE』をリリースし、初の日本武道館単独公演を成功させます。この頃には、彼らの音楽は多種多様なジャンルを取り入れ、バンドとしての表現の幅を広げていました。
- 2019年: 5thアルバム『Attitude』をリリース。収録曲「青と夏」は映画主題歌として大ヒットを記録し、Mrs. GREEN APPLEを代表する楽曲の一つとなります。年末には、初のベストアルバム『5』をリリースし、彼らの軌跡を振り返る集大成となる作品となりました。
2020年:活動休止「フェーズ1完結」
2020年7月8日、Mrs. GREEN APPLEは突如として「フェーズ1完結」を発表し、活動休止に入ります。この発表はファンに大きな衝撃を与えましたが、彼らは「新たなフェーズへ向かうための準備期間」と説明しました。この期間、メンバーはそれぞれが内省し、次なる音楽的探求への準備を進めていました。
2022年:活動再開「フェーズ2開幕」とメンバーの変遷
2022年3月14日、Mrs. GREEN APPLEは活動再開を宣言し、「フェーズ2」が開幕します。しかし、この際に、ベースの髙野清宗とドラムの山中綾華がバンドを脱退し、大森元貴、若井滉斗、藤澤涼架の3人体制となることが発表されました。このメンバーチェンジはファンに再び衝撃を与えましたが、彼らは新たなMrs. GREEN APPLEとして、次なるステージへと進むことを示しました。
活動再開後も、彼らは精力的に楽曲制作を行い、次々とヒット曲をリリースしています。
例えば、「ダンスホール」「ケセラセラ」「ライラック」など、彼らの音楽は常に進化し続け、多くの人々に感動を与え続けています。大規模なアリーナツアーやドーム公演も成功させ、日本のトップバンドとしての地位を不動のものとしています。
現メンバーの経歴とプロフィール
Mrs. GREEN APPLEは現在、以下の3人のメンバーで構成されています。
大森元貴(おおもり もとき)
- 担当: ボーカル、ギター、作詞、作曲、編曲、サウンドプロデュース
- 生年月日: 1996年9月14日
- 出身地: 東京都
- 経歴・プロフィール:
- Mrs. GREEN APPLEの全ての楽曲の作詞・作曲を手がける、バンドのブレイン。
- 幼少の頃から音楽に触れ、独学でギターを始める。
- その独特の音楽的センスと感性で、ポップでありながら奥深い楽曲を生み出す。
- ボーカリストとしても、その表現力豊かな歌声は多くの人を魅了する。
- バンドの方向性を決定づける重要な存在であり、ライブでのカリスマ性も際立つ。
- 「フェーズ2」以降は、サウンドプロデュースも担当し、Mrs. GREEN APPLEの音楽性をさらに深化させている。
- ソロ活動も行っており、その多彩な才能を発揮している。
若井滉斗(わかい ひろと)
- 担当: ギター
- 生年月日: 1996年10月8日
- 出身地: 東京都
- 経歴・プロフィール:
- Mrs. GREEN APPLEのリードギタリスト。
- 大森の楽曲に彩りを与える、繊細かつパワフルなギタープレイが特徴。
- ライブでは、大森との息の合ったパフォーマンスで観客を魅了する。
- バンドのムードメーカー的存在でもあり、明るいキャラクターでファンから愛されている。
- 「フェーズ2」以降は、より表現の幅を広げ、バンドサウンドの要となっている。
藤澤涼架(ふじさわ りょうか)
- 担当: キーボード、コーラス
- 生年月日: 1993年5月19日
- 出身地: 東京都
- 経歴・プロフィール:
- Mrs. GREEN APPLEの楽曲に奥行きと広がりを与えるキーボード担当。
- クラシックピアノをベースとした確かな演奏技術を持ち、楽曲に豊かな色彩を加える。
- コーラスも担当し、大森のボーカルを支える重要な役割を担っている。
- ライブでは、その情熱的なパフォーマンスと笑顔で観客を惹きつける。
- MCでもユーモアを交え、バンドのトークを盛り上げる。
- 「フェーズ2」以降は、シンセサイザーなども駆使し、Mrs. GREEN APPLEのサウンドにさらなる広がりをもたらしている。
脱退メンバーの経歴と脱退理由
Mrs. GREEN APPLEは、2022年の「フェーズ2」開幕時に2人のメンバーが脱退しました。
髙野清宗(たかの きよかず)
- 担当: ベース
- 生年月日: 1991年10月2日
- 出身地: 東京都
- 経歴・プロフィール:
- Mrs. GREEN APPLEのオリジナルベーシスト。
- 安定したベースラインでバンドのグルーヴを支えていた。
- クールな佇まいながら、ライブでは情熱的なプレイを見せた。
- バンドの初期からそのサウンドの土台を築き上げてきた重要な存在。
- 脱退理由:
- 2020年7月8日の「フェーズ1完結」発表と同時に、活動休止に入った。
- 2022年3月14日の「フェーズ2」開幕発表時、公式サイトにて「フェーズ2には参加せず、Mrs. GREEN APPLEを離れる」と発表された。
- 公式発表では、**「それぞれの道に進むことを決めました」**とされており、具体的な詳細な理由は明かされていません。しかし、一般的には、活動休止期間中に各メンバーが自身の今後のキャリアや人生について深く考えた結果、別の道を歩むことを選択したと解釈されています。音楽性の違いや方向性の違いといった理由も考えられますが、本人たちからの詳細な説明はないため、あくまで憶測の域を出ません。
山中綾華(やまなか あやか)
- 担当: ドラムス
- 生年月日: 1995年2月5日
- 出身地: 埼玉県
- 経歴・プロフィール:
- Mrs. GREEN APPLEのオリジナルドラマーであり、バンド唯一の女性メンバーだった。
- パワフルかつ繊細なドラミングでバンドのビートを支え、楽曲に躍動感を与えた。
- ライブでは、そのダイナミックなパフォーマンスで多くのファンを魅了した。
- バンドの紅一点として、その存在感は大きかった。
- 脱退理由:
- 髙野清宗と同様に、2020年7月8日の「フェーズ1完結」発表と同時に活動休止に入った。
- 2022年3月14日の「フェーズ2」開幕発表時、公式サイトにて**「フェーズ2には参加せず、Mrs. GREEN APPLEを離れる」**と発表された。
- 公式発表は髙野と同じく**「それぞれの道に進むことを決めました」**とされており、具体的な理由は明かされていません。彼女の場合も、活動休止期間中に自身の将来について深く熟考し、バンドとは異なる道を歩むことを選択した可能性が高いと考えられます。バンドの方向性や、自身の音楽活動以外の分野への興味など、様々な要因が考えられますが、これも本人からの詳細な言及がないため、推測の域を出ません。
Mrs. GREEN APPLEのメンバー脱退は、ファンにとっては非常に残念な出来事でしたが、彼らが「フェーズ1完結」と「フェーズ2開幕」という形でバンドの進化を明確にしたことは、前向きな変化として捉えられています。残った3人のメンバーは、新たなMrs. GREEN APPLEとして、これまで以上に結束を固め、唯一無二の音楽を創造し続けています。
Mrs. GREEN APPLEの音楽的魅力と影響
Mrs. GREEN APPLEの音楽は、その多様性と普遍性で多くの人々を惹きつけています。
1. ジャンルレスな音楽性
彼らの音楽は、ロックを基盤としながらも、ポップ、エレクトロニック、ファンク、クラシックなど、様々なジャンルの要素を巧みに取り入れています。これにより、単なるロックバンドという枠にとどまらない、常に新鮮で刺激的なサウンドを生み出しています。大森元貴の卓越したソングライティング能力が、この多様性を可能にしています。
2. ポジティブかつ深遠な歌詞
大森元貴が紡ぐ歌詞は、若者の日常に寄り添いながらも、人生の喜び、苦悩、希望といった普遍的なテーマを深く掘り下げています。ポジティブなメッセージが多い一方で、孤独や葛藤といった人間の内面にも光を当て、聴く人の心に深く響きます。言葉の選び方や表現が非常に繊細で、多くのリスナーが共感できる普遍性を持っています。
3. キャッチーなメロディーと中毒性
彼らの楽曲は、一度聴いたら忘れられないキャッチーなメロディーが特徴です。複雑なコード進行やリズムを織り交ぜながらも、どこか親しみやすいメロディーラインは、幅広い世代に受け入れられています。そして、その中毒性の高さから、一度聴き始めると止まらなくなる魅力があります。
4. ライブパフォーマンスの熱量
Mrs. GREEN APPLEのライブは、その高い演奏力と大森元貴の圧倒的なステージングで、常に観客を魅了します。彼らは、音源以上の熱量と迫力で楽曲を届け、観客を巻き込む一体感を生み出します。視覚的な演出も凝っており、ライブは単なるコンサートではなく、一つの芸術作品として体験できます。
5. 社会へのメッセージ性
彼らの楽曲には、現代社会への問いかけや、生きづらさを感じている人々へのエールが込められていることも少なくありません。多様性を尊重し、個性を肯定するメッセージは、特に若い世代に大きな影響を与えています。音楽を通して、社会にポジティブな変化をもたらそうとする彼らの姿勢は、多くの支持を集めています。
まとめ:進化し続けるMrs. GREEN APPLE
Mrs. GREEN APPLEは、バンド名の由来に込められた「未完成」という言葉の通り、常に進化し続けるバンドです。メンバーの脱退という大きな転換期を経験しながらも、彼らはそれを乗り越え、新たなMrs. GREEN APPLEとして、より深く、より広範な音楽表現を追求しています。
大森元貴の比類なき才能、若井滉斗と藤澤涼架の確かな演奏力、そして何よりも音楽への情熱が、彼らを日本のトップバンドへと押し上げました。彼らの音楽は、これからも多くの人々に希望と感動を与え続け、日本の音楽シーンに新たな息吹を吹き込んでいくことでしょう。Mrs. GREEN APPLEの「フェーズ2」は、まだ始まったばかりであり、彼らがこれからどのような景色を見せてくれるのか、その未来が非常に楽しみです。